自由な働き方「ノマドワーカー」

ノマドワーカーとは

ノマドワーカーとは、特定のオフィスや職場を持たず、カフェやコワーキングスペース、ときには海外のリゾート地など、好きな場所で仕事をする人のことです。「ノマド」は英語で「遊牧民」を意味し、まさに現代の遊牧民のように場所を移動しながら働くスタイルを指しています。従来の働き方では、決まった時間に決まった場所へ出勤することが当たり前でしたが、ノマドワーカーはインターネット環境とパソコンがあれば世界中どこでも仕事ができるのが最大の特徴です。朝は自宅で作業し、午後はお気に入りのカフェ、夕方は図書館といったように、その日の気分や集中できる環境を選んで働くことができます。また、国内だけでなく海外を拠点にするデジタルノマドと呼ばれる人たちも増えており、物価の安い東南アジアなどで生活しながら日本の企業の仕事を受けるといったスタイルも一般的になってきました。

ノマドワーカーに適した職種は？

ノマドワーカーとして活動するには、場所に依存しない仕事であることが絶対条件です。特に人気が高いのは、Webデザイナー、プログラマー、ライター、翻訳者、コンサルタント、オンライン講師などの職種です。これらの職種に共通しているのは、パソコンとインターネット環境があれば成果物を作成・納品できるという点ですね。また、クライアントとのやり取りもオンラインで完結できるため、物理的な距離は全く問題になりません。最近では、マーケティング、経理・会計、人事などのバックオフィス業務も外部委託が進んでおり、これらの分野でもノマドワーカーとして活躍する人が増えています。動画編集やSNS運用といった新しい職種も、ノマドワークに適した仕事として注目されているようです。

どこで働いているの？

ノマドワーカーが作業場所として選ぶのは実に多様です。自宅はもちろん、カフェ、図書館、コワーキングスペース、ホテルのラウンジ、公園のベンチまで、Wi-Fi環境が整っていればどこでも仕事場になります。国内では、東京の渋谷や新宿、大阪の梅田などにはノマドワーカー向けのコワーキングスペースが数多く存在し、月額制で利用できるサービスも充実しています。また、地方都市でも古民家を改装したコワーキングスペースや、温泉地でのワーケーション施設など、魅力的な選択肢が増えているのも特徴的です。海外では、バリ島のチャングー、タイのチェンマイ、ポルトガルのリスボンなどが「ノマドフレンドリー」な都市として人気を集めており、現地にはノマドワーカー向けのコミュニティも形成されています。これらの都市では、生活コストが安く、インターネット環境も良好で、同じようなライフスタイルを送る仲間と出会えるメリットがあります。

ノマドワーカーの特徴

成功しているノマドワーカーには共通する特徴があります。まず、高い自己管理能力を持っていることです。誰からも監視されない環境で継続的に成果を出すには、強い自律性が求められます。また、コミュニケーション能力も重要な要素です。対面でのやり取りが少ない分、チャットやビデオ通話でのコミュニケーションスキルが高く、クライアントとの信頼関係を築くのが上手な人が多いですね。さらに、新しい環境への適応力や、トラブルが発生した時の問題解決能力も欠かせません。Wi-Fi が繋がらない、停電が起きた、といった予期せぬトラブルにも柔軟に対応できる人がノマドワーカーとして長続きする傾向があります。そして何より、場所に縛られない自由を心から楽しめる人こそが、ノマドワーカーとしての醍醐味を味わえるのではないでしょうか。